- 社労士とは?
- 社労士の仕事内容は?
- 社労士になる方法は?
社会保険労務士(社労士)に興味がある方。
『社労士ってどんな資格なの?』と気になる方も多いでしょう。
資格予備校で人気の社労士。しかし『社労士は何する人?』と聞かれたらわからない方もいると思います。
★この記事を書いた人
知識ゼロから社労士試験に合格。
社労士の勉強法について情報発信しています。
そこでこの記事では、社労士の資格や仕事内容、将来性について解説します。
この記事を読むことで初心者でも社労士の資格について理解できます。
社労士とは?【正式名称:社会保険労務士】
まずは『社労士って何者?』から解説します。正式には『社会保険労務士』と呼びます。
社労士とは労働及び社会保険の法令の駆使して経営者や労働者を手助けする者です。
社労士は、社会保険労務士法に基づいた国家資格者です。
企業の成長には、お金、モノ、人材が必要とされておりますが、社労士はその中でも人材に関する専門家であり、「労働及び社会保険に関する法令の円滑な実施に寄与するとともに、事業の健全な発達と労働者等の福祉の向上に資すること」を目的として、業務を行っております。
全国社会保険労務士会連合会より引用
簡単にいえば、労働・社会保険のエキスパートで企業の悩みを法的に解決する人です。
社労士は法律系の国家資格
士業という言葉を聞いたことはありませんか?
士業とは『〇〇士』と呼ばれる専門資格者を指します。
例えば、以下のような人達を指します。
- 弁護士
- 税理士
- 司法書士
- 行政書士
- 社会保険労務士
≫参考:行政書士の仕事内容をわかりやすく解説。どんな仕事をしてるの?
『サムライ業』、『先生業』と呼ばれることもあります。
社労士の業務
社労士の仕事は大きく分けて3つあります。
- 労働・社会保険に関する書類作成
- 帳簿書類の作成
- コンサルティング
1.労働・社会保険に関する書類作成
労働・社会保険関係の書類作成や提出代行を行います。
例えば、企業が従業員を雇ったとします。従業員を雇うと健康保険や年金等の加入手続きが必要です。
社労士は企業に代わって、加入手続きを行うことができます。
- 主な仕事内容
- 労働保険、社会保険の新規加入と脱退および被保険者資格の取得・喪失等の手続き
- 健康保険・厚生年金保険の算定基礎届けおよび月額変更届け
- 労働保険の年度更新手続き
- 健康保険の傷病手当金や出産手当金などの給付申請手続き
- 労災保険の休業(補償)給付や第三者行為の給付手続き
- 死傷病報告等の各種報告書の作成と手続き
- 解雇予告除外認定申請手続き
- 年金裁定請求手続き
- 審査請求、異議申立、再審査請求などの申請手続き
- 各種助成金申請手続き
- 労働者派遣事業などの許可申請手続き
- 求人申込みの事務代理
引用:東京都社会保険労務士会
上記のように行政機関に提出する書類作成・提出代行を行います。
2.帳簿書類の作成
労働・社会保険諸法令に基づく帳簿書類の作成を行います。
帳簿書類とは企業が備えておくべき書類です。
- 労働者名簿
- 賃金台帳
- 出勤簿
- 就業規則
帳簿書類の作成には専門知識が必要で社労士が関わることで精度の高い帳簿ができます。
また就業規則は労働者にとっては重要で労働者保護の観点から適切に作成しなければなりません。
3.コンサルティング
労働・社会保険諸法令に基づく相談、又は指導を行います。
企業や労働者が抱える問題の相談に応じ解決に向けた手助けをします。
例えば、下記のような問題解決に向けた指導・助言を行います。
- 労働問題(残業代未払い)
- 解雇問題(不当解雇)
- 労働時間の問題(長時間労働)
- パワハラ、セクハラ問題
≫参考:社会保険労務士(社労士)の仕事内容は?年収・将来性も解説
社労士の強み【独占業務】
- 労働・社会保険に関する書類作成【1号業務】
- 帳簿書類の作成【2号業務】
上記の『1号業務』と『2号業務』は社会保険労務士の独占業務です。
独占業務とは社労士のみに許された業務で、原則社労士以外の人が行うと処罰されます。
例えば、
- 患者を診察して治療する行為は医者しかできません
- 紛争性のある法律事件を取り扱えるのは弁護士のみ
- 労働・社会保険関係の書類作成ができるのは社労士のみ
≫参考:社労士をとってよかったこと4選。資格を取得するメリット・デメリット解説
社労士が活躍する場所
- 独立開業
- 勤務社労士
独立開業
社労士は独立開業ができる資格。『社労士を取って独立したい』と思う受験生も多いです。
自分の腕次第で収入はピンキリ。収入を大きく伸ばしたり、事務所を拡大していくことも夢ではありません。
≫参考:社労士は人生が変わる資格!人生が変わる3つの理由を合格者が解説
- 独立開業にいくら必要?
独立開業には、
- 全国社会保険労務士会連合会
- 都道府県社会保険労務士会
に入会しなければなりません。
入会費は15万円程度。入会後、月々7千円程度かかります。
- 独立開業に必要な備品
- パソコン
- 携帯
- プリンター
最低限、上記の備品があれば独立できます。社労士は自宅で開業してもOK。別に店舗を構える必要はありません。
≫参考:社労士の独立は失敗しやすい?成功する人・廃業する人の特徴を解説
勤務社労士
一般サラリーマンの平均年収は440万円です。
≫参考:勤務社労士にできることは?仕事内容やメリット、おすすめの求人サイトも紹介
社労士資格を取得する3つのメリット
- 独立or勤務どちらもOK
- 知識は武器になる
- 大きな自信が身につく
独立or勤務どちらもOK
社会保険労務士は汎用性のある資格。独立にも有利だし、就職・転職にも有利な資格です。
士業のなかでも行政書士や司法書士は独立開業がメインの資格。就職や転職には不向きでしょう。
私は行政書士として独立開業していますが、就職・転職の選択肢はありませんでした。
なぜなら求人がほぼ0だから。
一方、社労士は独立もできて、就職・転職にも使える資格です。士業のなかで独立もできて、就職・転職もできる資格は珍しいです。
≫参考:社労士は儲かる・儲からない?社会保険労務士業界の実情を解説
生活で役立つ知識が手に入る
社労士を勉強することで実生活に役立つ知識が手に入ります。
試験内容は健康保険や年金など私たちの生活に直結する法律を勉強するからです。
例えば『雇用保険法』や『厚生年金保険法』といった法律を勉強します。
- 『失業したときに自分は失業手当をいくらもらえるの?』
- 『老後に自分が受け取れる年金額はどれぐらいなの?』
雇用保険法や厚生年金保険法を学べば疑問は解決できます。
≫参考:社会保険労務士は役に立たない?【現役士業が実態を解説】
大きな自信が身につく
社労士試験は難関です。合格までは長期戦となるでしょう。私も合格まで2年半かかりました。
長期間の勉強に耐え合格を手にした喜びは計り知れないものがあります。
ただ、合格者が手にするのは社労士の資格だけではありません。
合格証と共に大きな自信が手に入ります。今後、この自信は生きていく上で大きな力になってくれます。
大変なこと、つらいことがあっても『社労士の勉強に比べれば全然余裕』と思えます。
≫参考:社労士資格の活かし方を徹底解説!独立、就職・転職に活用できるの?
社労士の将来性
社労士の将来性は明るいです。AIによって社労士の仕事はなくなるのでは?と言われることもあります。
確かに、単純な書類作成は今後AIに代替されていくでしょう。しかし、社労士の仕事は書類作成だけではありません。
企業が抱える労働問題のコンサルなど『人と人とのコミュニケーション』によって解決していく問題はAIが代替することはできません。
≫参考:社労士は『食えない』『仕事ない』は本当なの?社会保険労務士の実情を解説
≫参考:社会保険労務士は悲惨な資格なの?『やめとけ』と言われる理由と実情解説
社労士になるには?【3つのステップ】
- 社労士試験に合格する
- 実務経験を得る
- 社労士の登録をする
社労士試験に合格する
社労士になるには社会保険労務士試験に合格しなければなりません。
試験は毎年1回8月末に行われます。
ただし、社労士には受験資格があります。誰でも受験ができるわけではありません。
社労士試験を受験するには次の3つの内いずれか1つを満たす必要があります。
- 学歴
- 実務経験
- 試験合格者
社労士の受験資格は以下の記事で、さらに詳しく解説しています。
≫参考:【社会保険労務士になるには】合格者が教える!社労士になる方法
≫参考:社労士学習の前に取ると良い資格2選!合格者が経験談を解説
★令和6年度の社労士試験の受験者数と合格率
受験者数…43,174
合格率…6.9%
受験者数が約4万人に対して合格率が6%です。過去5年の合格率を見ても6%~7%で推移しています。
≫参考:社労士の難易度を解説!社会保険労務士は難しい?【合格者が解説】
試験は労働・社会保険に関する法律問題が出題され難易度が高く受かりにくい試験です。
- 合格に必要な勉強時間
合格までに必要な勉強時間は1000時間。1日3時間勉強しても合格までに1年は必要です。
経験談として初学者が1000時間ほど勉強すれば合格レベルには到達すると思います。ただ感覚として正直まだ少ないです。
≫参考:社労士の合格に必要な勉強時間は実際どのぐらい?【経験者が解説】
実務経験を得る
社労士になるには試験に合格しただけではダメです。
どこかの事務所に就職して2年間就労経験を積まなければなりません。
ただし、2年間も就労経験を積むのが大変です。
★『事務指定講習』を受講すれば実務経験は免除
全国社会保険労務士会連合会が実施する事務指定講習を受講すれば実務経験が2年が免除されます。
社労士の登録をする
社労士になるには全国社会保険労務士会連合会の名簿に登録しなければなりません。
登録の流れは下記のとおりです。
- 都道府県社会保険労務士会に申請
- 全国社会保険労務士会連合会で審査
- 登録完了
開業又は勤務先の事務所がある都道府県の社労士会に入会の申請をします。
その後、全国社会保険労務士会連合会で審査があり、問題がなければ登録となります。
≫参考:社労士はコスパのいい資格?コスパは悪い?【合格者が解説】
社労士試験の勉強法は通信講座がオススメ
社労士の勉強法として次の3つが考えられます。
- 独学
- 資格予備校に通う
- 通信講座
独学はオススメしません。私も最初は独学でしたが速攻で挫折。難関試験なので独学での合格は厳しいです。
資格予備校に通う道もありますが、費用が30万ほどかかるので候補から外します。
私のオススメは通信講座です。
通信講座の特徴
- 安価で受講できる
- 作りこまれたテキスト
- 理解しやすい講師の講義
通信講座は予備校の半額以下で受講でき、合格率が独学の4倍以上の講座もあります!
つまり、通信講座はコスパがいいです。
私自身、知識ゼロから通信講座を受講して合格できました。初学者でも十分合格を目指せます。
≫参考:オススメの社労士通信講座7選
ダブルライセンスの道もある
社労士と他資格を持つことをダブルライセンスといいます。
社労士と相性抜群の資格は行政書士です。うまく組み合わせることで相乗効果を発揮し大きく稼ぐことができます。
≫参考:社労士と行政書士のダブルライセンスってどう?メリットや年収を徹底解説
ダブルライセンスは競合との差別化、さらに顧客の信用アップにも繋がります。
≫参考:社労士と行政書士はどっちがいい?両資格の保有者が解説!
≫参考:社労士と社会福祉士のダブルライセンスのメリットは?両資格の難易度も解説
まとめ【社労士とは】
社会保険労務士(社労士)とは法律系の国家資格。業務内容は官公庁に提出する書類作成、帳簿書類の作成、コンサルティングです。
社労士になるには試験に合格、さらに実務経験を積んで登録が必要です。
社労士の資格を取得することで独立開業や勤務社労士として働く道があります。
今後は企業の労働問題アドバイザーとしての活躍が期待されています。
≫参考:おすすめの社労士通信講座7選
社会保険労務士の通信講座に関する下記の記事も参考にしてください。
著者プロフィール
平成30年度の社会保険労務士試験に合格。
事務指定講習も受講済み。
知識0~社会保険労務士になる方法ブログを開設し情報発信しています。
現役の行政書士として活動中。
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