そもそも受験資格がないと聞いて、諦めるしかないのかと悩んでいます…。
たしかに高卒だけでは受験資格を満たしませんが、受験資格を得るルートが複数用意されています。実は筆者がおすすめするルートもあるので、順番に解説しますね。
社会保険労務士(社労士)・行政書士のダブルライセンス保有者。実際に両試験に合格した経験をもとに、受験生目線のリアルな情報を発信しています。
この記事でわかること
✅ 高卒から社労士になるための3つのルート
✅ 社労士試験の受験資格のわかりやすい整理
✅ 高卒・学歴に自信がない人の現実的な合格戦略
「社労士になりたいけれど、高卒だから無理かもしれない」と検索してたどり着いた方へ。
最初に結論をお伝えすると、高卒でも社労士になることは可能です。
ただし社労士試験には受験資格があり、高卒の場合はまず受験資格を満たすステップが必要になります。
この記事では、高卒から社労士を目指す3つのルートと、それぞれの期間・費用・難易度を、行政書士・社労士のダブルライセンスを持つ筆者が解説します。
- 【結論】高卒でも社労士になれる|3つのルートがある
- そもそも社労士試験の受験資格とは?わかりやすく整理
- ルート1:行政書士試験に合格してから社労士を受験する【おすすめ】
- ルート2:実務経験3年以上で受験資格を得る
- ルート3:短大・専門学校で学歴要件を満たす
- 3つのルートを期間・費用・得られるものから比較
- 高卒から社労士になった後のキャリアと年収
- 実務経験ルートを狙うなら|人事・労務の仕事に就く方法
- 高卒でも合格できる?学歴と合格の現実
- 高卒から最短で合格するための勉強戦略
- 「社労士 高卒」に関するよくある質問
- 行政書士経由ルートの具体的スケジュール例
- 合わせて読みたい関連記事
- 【まとめ】高卒は社労士を諦める理由にならない
【結論】高卒でも社労士になれる|3つのルートがある
社労士試験の受験資格は、大きく「学歴」「実務経験」「他資格の合格」の3系統に分かれています。
高卒の方は「学歴」の要件を満たさないため、残り2つの系統か、学歴要件を満たし直すルートを使うことになります。
高卒から社労士を目指す3ルート
① 行政書士試験に合格してから社労士を受験する(学歴不問)
② 労働社会保険諸法令の実務経験3年以上で受験資格を得る
③ 短大・専門学校(専修学校の専門課程など)を卒業して学歴要件を満たす
それぞれにメリット・デメリットがあるので、順番に見ていきましょう。
そもそも社労士試験の受験資格とは?わかりやすく整理
社労士試験の受験資格は、社会保険労務士法で定められており、代表的なものは次の通りです。
受験資格の主な区分
【学歴】大学・短大・高等専門学校の卒業/専修学校の専門課程(修業年限2年以上等)の修了 など
【実務経験】労働社会保険諸法令に関する事務の実務経験3年以上 など
【国家試験】行政書士試験の合格/厚生労働大臣が認めた国家試験の合格 など
ポイントは、高卒そのものを排除する制度ではなく、複数の入口が用意されていることです。
受験資格の詳細は年度ごとに公式の試験案内で必ず確認してください。
最新の要件は社会保険労務士試験オフィシャルサイトで公開されています。
ルート1:行政書士試験に合格してから社労士を受験する【おすすめ】
筆者が高卒の方に最もおすすめするのが、このルートです。
行政書士試験には学歴・年齢などの受験資格が一切なく、誰でも受験できます。
そして行政書士試験の合格は、社労士試験の受験資格として認められています。
さらにこのルートには、受験資格を得る以上のメリットがあります。
行政書士経由ルートのメリット
⭕ 行政書士資格そのものが独立・就職に使える国家資格
⭕ 法律の学習基礎ができるため社労士の勉強がスムーズになる
⭕ 結果的にダブルライセンスになり、仕事の幅が大きく広がる
筆者自身、行政書士と社労士の両方を保有していますが、2つの資格の相乗効果は実務で強く感じます。
行政書士の標準学習期間は6ヶ月〜1年程度なので、「行政書士1年→社労士1〜2年」というのが現実的なスケジュール感です。
遠回りに見えて、資格が2つ手に入る最も実りの多いルートです。
ルート2:実務経験3年以上で受験資格を得る
すでに社会保険労務士事務所や企業の人事・労務部門などで働いている方は、実務経験で受験資格を満たせる可能性があります。
対象となるのは、労働社会保険諸法令に関する事務に通算3年以上従事した経験などです。
該当しそうな方は、勤務先で実務経験証明書を発行してもらう必要があります。
「一般的な事務職」では認められないケースがあるため、自分の業務が対象になるかは試験センターへの確認が確実です。
今の仕事が人事・労務に関わっているなら、追加の勉強なしで受験資格を得られる最短ルートです。
ルート3:短大・専門学校で学歴要件を満たす
修業年限2年以上などの条件を満たす専修学校の専門課程を修了すると、学歴系の受験資格を得られます。
通信制の短大なども選択肢になり、学費を抑えながら2年で要件を満たせます。
ただし2年間の学費と時間がかかるため、「学歴も手に入れたい」という目的がない限り、ルート1・2より優先度は下がります。
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3つのルートを期間・費用・得られるものから比較
ここまでの3ルートを、選びやすいように比較して整理します。
ルート1:行政書士経由
期間:行政書士6ヶ月〜1年 + 社労士1〜2年
費用:行政書士の教材費 数万円〜
得られるもの:受験資格+行政書士資格(ダブルライセンス)
おすすめ度:◎ 最も実りが多い王道ルート
ルート2:実務経験3年
期間:すでに該当業務に就いていれば追加期間ゼロ
費用:かからない
得られるもの:受験資格+実務スキル
おすすめ度:◎ 該当者なら最短。ただし対象業務かの確認が必須
ルート3:短大・専門学校卒業
期間:2年以上
費用:学費(通信制で数十万円〜)
得られるもの:受験資格+学歴
おすすめ度:△ 時間と費用の負担が大きい
整理すると、現在の仕事が人事・労務に関わるならルート2、そうでなければルート1が基本の選び方になります。
ルート1とルート2は並行も可能です。
人事・労務部門へ転職して実務経験を積みながら、行政書士の勉強を進めるという合わせ技なら、どちらかが先に受験資格になります。
高卒から社労士になった後のキャリアと年収
受験資格の壁を越えて合格すれば、その先のキャリアに学歴の壁はほとんどありません。
主なキャリアパスは3つです。
社労士事務所・コンサルティング会社への就職
社労士業界の求人は「有資格者」というだけで応募できる幅が大きく広がります。
実務経験を積みながら、将来の独立に備えられる王道のパスです。
一般企業の人事・総務部門
企業内社労士として、給与計算・社会保険手続き・労務管理の専門家ポジションを担えます。
資格手当が支給される企業も多く、昇進・転職の両面で評価されます。
独立開業
社労士は労働社会保険手続きの独占業務を持つため、資格単体で開業できます。
顧問契約モデルのため、軌道に乗れば収入の安定性が高いのが特徴です。
社労士の平均年収は600万円台後半とされ、開業で軌道に乗れば1,000万円超も現実的なラインです。
学歴で判断されない実力勝負の世界だからこそ、高卒というスタート地点は合格した瞬間に関係なくなります。
実務経験ルートを狙うなら|人事・労務の仕事に就く方法
ルート2の実務経験を今から作るという選択肢もあります。
社労士事務所の補助者(無資格可)や、企業の人事・総務アシスタントの求人は、未経験者向けの募集が一定数あります。
社労士事務所での勤務は、労働社会保険諸法令に関する事務に該当しやすく、受験資格の実務経験を積みながら給料をもらえる一石二鳥のポジションです。
さらに実務を知ってから試験勉強をすると、手続きの流れが具体的にイメージできるため、暗記効率も上がります。
「働きながら受験資格を作り、実務知識ごと合格する」というキャリア設計は、高卒の方にとって遠回りに見えて堅実な道です。
ただし実務経験のカウント対象になるかは業務内容次第なので、就職前に業務範囲を確認しておきましょう。
高卒でも合格できる?学歴と合格の現実
ここまでは受験資格の話でしたが、「受験できても、高卒で合格できるのか」と不安な方も多いはずです。
結論、社労士試験の合否に学歴は関係ありません。
社労士試験はマークシート式で、出題されるのは労働法・社会保険法という「全員が大学で習っていない」分野です。
つまり大卒も高卒も、ほぼ全員がゼロからのスタートになります。
合否を分けるのは学歴ではなく、正しい勉強法と継続だけです。
この点は「社労士は三流大学でも受かる?」の記事で、学歴と合格の関係をさらに詳しく検証しています。
高卒から最短で合格するための勉強戦略
高卒から目指す場合、行政書士の学習も含めると総学習期間が長くなりがちです。
だからこそ、1つ1つの試験を最短で突破する戦略が重要になります。
最短合格の3原則
① 満点ではなく合格基準点を狙う(完璧主義を捨てる)
② 過去問を軸に頻出論点へ学習を集中する
③ 独学で迷走せず、実績のあるカリキュラムに乗る
この考え方を体系化したのが、クレアールの「非常識合格法」です。
出題範囲をすべて学ぶのではなく、合格に必要な範囲に絞って学ぶという戦略は、学習時間の確保が難しい社会人や、法律の学習が初めての方にこそ効果を発揮します。
書籍は資料請求するだけで先着100名に無料でもらえるので、ルート選びの段階で読んでおくと全体戦略が立てやすくなります。
学習期間の目安は「社労士合格に何年かかる?」の記事も参考にしてください。
「社労士 高卒」に関するよくある質問
Q1. 高卒で社労士になった人は実際にいますか?
います。
行政書士経由や実務経験経由で受験資格を得て合格し、開業している社労士は珍しくありません。
合格後の実務や営業で学歴が問われる場面も、ほとんどありません。
Q2. 行政書士と社労士、先にどちらを勉強すべきですか?
高卒の方は受験資格の関係で、行政書士が先になります。
行政書士で法律の学習に慣れてから社労士に進むと、学習効率の面でも有利です。
両資格の違いは「社労士と行政書士はどっちがいい?」の記事で比較しています。
Q3. 実務経験のカウント方法がわかりません
実務経験は「労働社会保険諸法令に関する事務」に通算3年以上従事していることが目安です。
判断に迷う場合は、全国社会保険労務士会連合会試験センターに問い合わせるのが最も確実です。
自己判断で出願して受験資格が認められないリスクは避けましょう。
Q4. 高卒だと合格後の就職で不利になりませんか?
社労士業界は資格と実務能力で評価される世界です。
社労士事務所の求人では「有資格者」であること自体が大きな価値を持ちます。
むしろ「高卒から努力して国家資格を取った」というストーリーは、面接で強い印象を残せます。
Q5. 中卒でも同じルートで目指せますか?
目指せます。
行政書士試験は学歴不問なので、中卒の方も同じく行政書士経由ルートが使えます。
高認(高等学校卒業程度認定試験)を取る必要もありません。
行政書士経由ルートの具体的スケジュール例
最後に、おすすめのルート1(行政書士経由)で進む場合のモデルスケジュールを示します。
1年目:行政書士試験に合格する
行政書士試験は毎年11月実施なので、年初から学習を始めれば約10ヶ月の準備期間が取れます。
出題の中心は民法と行政法で、この2科目に学習時間の7割を投下するのが定石です。
法律の学習が初めての方は、独学よりも通信講座でカリキュラムに乗る方が挫折しにくくなります。
2年目:社労士の学習を開始する
行政書士試験の合格発表は翌年1月末なので、発表を待たずに11月の試験直後から社労士の学習を始めるのが効率的です。
社労士試験は毎年8月実施のため、11月スタートなら約9ヶ月の学習期間を確保できます。
1年で間に合わなければ、2年計画に切り替えて主要科目から固めていきます。
3年目:社労士試験に合格・登録へ
合格後は、実務経験2年以上または事務指定講習の修了を経て社労士登録となります。
高卒からスタートして約3年で、行政書士・社労士のダブルライセンス保有者になれる計算です。
3年と聞くと長く感じるかもしれませんが、1つの大学卒業より短い期間で、国家資格が2つ手に入ると考えると現実的な投資です。
Q6. 通信制高校の卒業でも同じ扱いですか?
通信制・定時制も「高卒」として同じ扱いです。
学歴系の受験資格には該当しないため、本記事の3ルートのいずれかを使うことになります。
Q7. 受験資格の証明には何が必要ですか?
行政書士経由なら合格証書のコピー、実務経験なら勤務先発行の実務経験証明書、学歴なら卒業証明書などが必要です。
出願期間直前に慌てないよう、書類は早めに準備しておきましょう。
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Q8. 行政書士に落ちたら社労士も諦めるべきですか?
諦める必要はありません。
行政書士試験は毎年受験でき、敗因を分析して翌年に再挑戦すれば十分に合格圏を狙えます。
また並行して人事・労務系の仕事に就いておけば、実務経験ルートという保険も効いてきます。
複数のルートを同時に進められるのが、高卒からの社労士挑戦の意外な強みです。
Q9. 何歳からでもこのルートは使えますか?
使えます。
行政書士試験にも社労士試験にも年齢制限はありません。
40代・50代から行政書士経由で社労士に到達した方も実在します。
社労士は定年のない資格なので、始める年齢より「始めるかどうか」だけが問題です。
【まとめ】高卒は社労士を諦める理由にならない
高卒の方が社労士を目指すルートは、行政書士経由・実務経験・学歴の取り直しの3つです。
特に行政書士経由は、受験資格とダブルライセンスを同時に手に入れられる、最も実りの多いルートです。
そして受験資格さえ満たせば、試験の合否に学歴は一切関係ありません。
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